同門対決で世界取りや!ボクシングの亀田兄弟の父・史郎氏(42)が11日、WBA世界フライ級王者・坂田健史(27)=協栄=との同門対決解禁を宣言した。興毅、大毅がそろい踏みする28日の試合で、内容が良かった方を坂田に挑戦させる意向で10月に世界戦を計画。同門による世界戦は史上初で、亀田兄弟が日本人と対戦するのも初めて。“浪速の闘拳”と“浪速の弁慶”が、坂田への挑戦権を懸け28日のリングに臨む。
史郎氏がついに決断した。坂田との“禁断”の同門対決にゴーサインを出した。「日本人が挑戦出来るベルトは2本しかあらへん。WBCはスケジュールが詰まってるみたいやし、そんなら坂田しかないやろ。待っとってもしゃあない。もう同門は関係あらへん」。胸に秘めていた思いを一気にぶちまけた。
坂田との同門対決に関して、これまで史郎氏は完全否定していた。同門であるがゆえの周囲の声を予想しての判断だった。昨年8月の興毅の世界戦では激しいバッシングを受け、一部週刊誌で「八百長」疑惑を指摘された。同門対決であれば、この疑惑が再び亀田家を襲う可能性がある。だからこそ避けていた。
史郎氏の心を動かしたのは、興毅と大毅の坂田戦にかける熱い気持ちだ。1日に坂田が王座を統一した直後に2人が史郎氏に坂田戦を直訴した。周囲の声を懸念した史郎氏は一度は2人をなだめたが、連日の猛アピールについに折れた。「八百長言われるのも覚悟の上や」と腹を決めた。
興毅はWBA同級1位で、大毅は同級10位と、ともに15位以内にランクインしており、世界挑戦権を有している。現時点でどちらが挑戦するかは未定で、28日の試合内容を考慮して史郎氏が決断を下す。28日はダブル世界前哨戦で、坂田への挑戦権を懸けたサバイバルマッチとなる。
興毅は2階級制覇、大毅は史上最年少世界王座奪取記録を狙う。最年少記録は、元世界2階級制覇の井岡弘樹氏が持つ18歳9カ月10日。大毅が記録を更新するには今年の10月15日がリミットとなる。この記録を見据えた上で史郎氏は世界戦を10月に設定。興毅が挑戦する場合でも時期は10月となる。
「興毅も大毅もごっつい自信を持っとる。同じジムいうても一緒に練習してるわけやないから心を鬼にして向かっていける。どっちがやるにしろ勝つ。負けるわけあらへん。逃げてる言うやつがおるけど、俺らは絶対に逃げへんよ」。力強い言葉の中に父として、トレーナーとしての自信がみなぎっていた。
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