天才リナレス、期待に応えた! 21日(日本時間22日)ラスベガスで行われたWBC世界フェザー級暫定王座決定戦に出場した同級2位ホルへ・リナレス(帝拳)は、同1位(元WBC・S・バンタム級王者)オスカル・ラリオス(メキシコ)を終盤10回2分37秒レフェリー・ストップによるTKOで撃破し、新チャンピオンとなった。名門帝拳ジムから世界チャンピオン誕生は、大場政夫、浜田剛史に次いで3人目。1986年の浜田以来21年目の快挙だった。
試合前の賭け率で有利とされたリナレス(21)は、初回から攻めてくるラリオス(30)の強いプレッシャーにさらされながらも、巧みなディフェンスで決定打を許さず、中盤から正確なボディーブローでペースを掌握。顔面への連打で何度かベテランをたじろがせた。ラリオスも最後まで執拗に手を出し続けたが、10回のリナレスの右ストレート・カウンターからの見事な顔面連打を浴び、たまらずフロアーに沈んだ。勇敢なメキシカンは必死に立ち上がったもののダメージは深く、ドラクリッチ主審は試合続行を許さなかった。新チャンピオンはコーナーに駆け上がって歓喜の雄叫びを上げた。
9回までの途中スコアは、2人が87-84、89-82でリナレスの優勢、残る1人は86-85でラリオス優勢と割れていた。
リナレスはベネズエラ出身。アマ時代から「ゴールデン・ボーイ」と期待され、帝拳ジムと契約し17歳でプロ・デビュー。以来東京の帝拳ジムの合宿所で生活しながら選手生活を続けてきた。プロ戦績は24勝15KO不敗。なおWBCフェザー級には正規王者池仁珍(韓国)がいるが、今回ラリオスとの対戦を辞退したため、リナレス出場の暫定王座決定戦が行われた。今後リナレス-池のチャンピオン統一戦が行われる予定。
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