「スッゴイうれしい。本当に日本好きだから、世界チャンピオンのベルト持ってこれてよかった」。21日ラスベガスでのWBC世界フェザー級「暫定王座決定戦」でオスカル・ラリオス(メキシコ)に見事10回TKO勝ちをおさめ新チャンピオンになったホルへ・リナレス(帝拳=ベネズエラ・21)が26日日本に“帰国”し、早速この日午後帝拳ジムで記者会見に臨んだ。
勝った瞬間、「やった!!」と日本語が口をついて出た。「スペイン語だと長くなるから。日本人みたいね」とニヤリ。17歳になる前に来日して以来4年間帝拳ジムの合宿所で暮らしてすっかり日本になじんでいる。試合後も母国に帰らずに日本に帰ってきたほど。
今回の試合については、「1ラウンドから10ラウンドまでラリオスのプレッシャーが強く、ちょっとビックリした」「でもボディーが効いて、7ラウンド頃からラリオスが疲れたのが分かった。12回戦うスタミナも大丈夫だったけど、10回でストップできてよかった」と、会心の勝利を振り返った。試合後憧れのオスカー・デラホーヤから絶賛されたこともうれしかったという。今後については、「WBA(との統一戦)もやりたい」。
本田明彦帝拳ジム会長によると、リナレスの勝利に現地では「新スターの誕生と受け取られ、デラホーヤはじめ主だったプロモーターすべてから契約しないかといってきた」という。しかし特定のプロモーターと契約するつもりはなく、今後は日本とアメリカ半々で試合をしていくそうだ。次期試合は11月頃に日本で、同僚のエドウィン・バレロ(WBA世界S・フェザー級王者)と揃って防衛戦のリングに上がる予定。
この階級は池仁珍(韓国)が正規王者で、次はリナレスとの決定戦になるものとみられていたが、この日本田会長の口から意外な事実が明らかになった。WBCは池側に試合を行う意思がないとの報告を受け、ラリオス-リナレス戦の際のリングアナウンスでも「暫定」を外していたというのだ。池にはK-1転向の噂も流れているが、マネジャーとの確執も伝えられ、リナレスが望んだ統一戦は実現しそうもない。
これについては正式に日本ボクシングコミッションを通じて照会するというが、このまま池がはく奪され、リナレスが正規チャンピオンに昇格するのは確実のようである。
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